- ソリッドワイヤの銅メッキが起こす問題
- 銅メッキなしワイヤSE-50Tの特長
- SE-50Tをオススメしたい方
ソリッドワイヤってたくさん種類があるけど一体どれがいいんだろう…。
このようなお悩みを持つ方はいませんでしょうか?
本記事ではソリッドワイヤの選定を悩んでいる方や溶接性能向上を求めている方向けに(株)神戸製鋼所のYGW12ワイヤ「SE-50T」を紹介致します。
JIS規格「YGW12」のワイヤは低電流域の溶接で使用するソリッドワイヤになります。
ソリッドワイヤの基本について解説している記事もあります。あわせてご覧ください。
SE-50Tはメーカーが2000年頃に開発した全く新しいソリッドワイヤになります。
一般的にソリッドワイヤには銅メッキがされているのですが、SE-50Tには銅メッキがされておりません。
銅メッキされていないことにより、多くの長所がある神戸製鋼所「SE-50T」の魅力を本記事ではわかりやすくお伝えします。
銅メッキが原因で起こりうる問題点
SE-50Tのことを知る前に、溶接ワイヤの銅メッキがどのようなトラブルを起こす可能性があるか見ていきます。
- ワイヤ送給性の悪化
- アークの不安定化
- 環境への悪影響
メッキ有りのソリッドワイヤは一見均一にメッキされているように見えます。
しかしワイヤ表面を拡大してみると、鉄地部分が見えていたり、メッキが裂けていたりするなど、不均一な状態になっています。
不均一なメッキのせいでライナーやローラーに屑がたまって、送給不良やアークの不安定を引き起こす可能性があるんだ…。
さらに溶接性能以外の影響では、発生する溶接ヒュームに銅成分が入るといった環境への問題もあります。
上記のようなメッキが原因で起こる問題を解決するべく、メーカーは特殊表面処理を施したノーメッキワイヤを開発しました。
SE-50Tの特長
カタログのソリッドワイヤのページでは一番最初に紹介されているよ!
メーカーがソリッドワイヤのトップバッターとして満を持して紹介する、そんなSE-50Tの性能を確認していきます。
JISはYGW12を取得しており、全姿勢での使用が可能で、シールドガスに炭酸ガスや混合ガスを使った低電流域で安定した溶接が可能です。
また、船級認定を取得しているため、造船を含めたほとんどの業種で使用することができます。
さらにSEワイヤ(銅メッキなし)ですので、銅メッキ屑によって起こるトラブルやチップ融着が減少します。
SEはSmooth&Ecology(スムース&エコロジー)の略
ワイヤ送給時のメッキ屑が発生しないため、チップやライナー、送給ロールなどの溶接部品の交換頻度は確実に減るでしょう。
SE-50Tは優れた送給性とアークの安定化を実現し、環境にも配慮した高性能なソリッドワイヤであるといえます。
まとめ:SE-50Tは生産性向上と環境改善を求める方にオススメ
本記事で解説してきたSE-50Tの性能を以下にまとめています。
- JIS規格YGW12のソリッドワイヤ
- 全姿勢溶接が可能
- 低電流域でアーク安定
- 船級を取得しているため、造船業を含むあらゆる業種で使用可能
- 銅メッキなしのため、優れた送給性とアーク安定性を実現
- メッキありソリッドワイヤと比較してスパッタとヒュームが少ない
銅メッキが原因で起きていた問題を解決した高性能のソリッドワイヤだよ!
現場でソリッドワイヤを観察してみると、これはどこのメーカーのワイヤなんだろうと思うことがよくあります。
神戸や日鉄の製品を見かけることが多いフラックス入りワイヤと違って、ソリッドワイヤはお客様によって様々なものが使用されています。
ソリッドワイヤはメーカーによる性能差が小さいのかもしれない…。
しかし、本記事で紹介した銅メッキなしソリッドワイヤ「SE-50T」は、他社のソリッドワイヤとはあきらかに異なる性能の製品です。
- 生産性を向上させたい
- メッキ屑トラブルの減少
- アーク安定化によりスパッタが減少
- 作業に発生するゴミを減らしたい(メッキ屑やチップの消耗)
- ヒューム量を減らしたい
昨今のあらゆる材料の高騰化や溶接ヒューム厳罰化の動きで、上記のような悩みをもつお客様は少なくないでしょう。
今現在銅メッキがされているソリッドワイヤをお使いの場合は、是非一度神戸製鋼のSE-50Tを試してみてください。
溶接性や作業性の向上、部品の交換頻度減少といったワイヤコスト以上の費用対効果を感じていただけるでしょう。
低電流用のソリッドワイヤを使用した溶接がメインのお客様には必ず一度体験してみてほしいワイヤです!
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