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神戸製鋼と日鉄溶接工業の溶接棒相当品を比較【軟鋼・490MPa級高張力鋼編】

本記事を読んでわかること
  • 神戸製鋼と日鉄溶接工業の代表的な溶接棒の紹介
  • 溶接棒の種類ごとの相当品について

国内の代表的な溶接棒メーカーといえば(株)神戸製鋼所日鉄溶接工業(株)ですが、神戸製と日鉄製の溶接棒選定でお悩みではないでしょうか?

多くの種類がある溶接棒を各メーカーの銘柄で一つずつ覚えていくのは大変かと思います。

少しでも覚えやすいように2社の相当する溶接棒を同時にみていこう。

相当する溶接棒銘柄を記憶しておくと、いざ必要な溶接棒が用意できない場合に他社の相当品で対応することができます。

他社の相当品だったらすぐ用意できます!って言えるようになるね。

この記事では神戸製鋼所と日鉄溶接工業の2大溶接材料メーカーの軟鋼・490MPa級高張力鋼用溶接棒で代表的な銘柄をチェックしていきます。

より理解しやすいように溶接棒のタイプごとに説明しながら紹介しますので、是非溶接棒の学習や選定に役立ててください。

目次

イルミナイト系溶接棒の特徴と比較

イルミナイト系溶接棒は被覆剤(フラックス)にイルミナイトを使用した溶接棒で、作業性・溶接性のバランスが良い溶接棒種です。

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JIS神戸製鋼所日鉄溶接工業特徴
Z 3211 E4319 UB-17A-17(旧:G-200)〇-14系と比較して溶接性重視
Z 3211 E4319 U B-14A-14(旧:A-200)溶接性と作業性のバランスが良好
Z 3211 E4319B-10A-10(旧:G-300)〇-14系と比較して作業性重視
代表的なイルミナイト系溶接棒の銘柄

神戸は「B」で、日鉄は「A」か。覚えやすいね。

ライムチタニア系溶接棒の特徴と比較

ライムチタニア系溶接棒は被覆剤(フラックス)に石灰石とルチールを使用しています。

ライムチタニア系溶接棒も先程紹介したイルミナイト系溶接棒と同様に作業性・溶接性のバランスが良好な棒種ですが、若干性能の違いがあります。

イルミナイト系溶接棒との違い
  • スパッタが少ない
  • スラグ剥離性に優れる
  • 溶け込みが少し浅い
  • X線性能が劣る
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JIS神戸製鋼所日鉄溶接工業特徴
神戸:Z 3211 E4303
日鉄:Z 3211 E4303 U
ZERODE-44NS-03Hi国内で最も使用されている人気種
Z 3211 E4303TB-24S-03立向上進溶接(かち上げ)がやりやすい
代表的なライムチタニア系溶接棒の銘柄

ライムチタニア系棒は日本国内でも使用率が高く、神戸製鋼所のZERODE-44は国内で最も人気の溶接棒といっても過言ではありません。

低水素系溶接棒の特徴と比較

低水素系溶接棒拡散性水素量が低いことからその名で呼ばれています。

溶接においては、溶接金属の中の水素量が低いほど割れにくいとされているため、重要構造物や厚板の溶接に使用されます。

割れにくい溶接が可能ならば全て低水素系を選べばいいのではと思うのですが、その溶接性能の高さゆえに非常に扱いが難しい溶接棒種でもあります。

特に気を付けたいポイントが、溶接棒使用前に300~350℃で30~60分乾燥させる必要があるという点です。

低水素系棒の売りでもある水素量の低さを活かすために、溶接棒に含まれている水分を除去してから使用しなければなりません。

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JIS神戸製鋼所日鉄溶接工業特徴
Z 3211 E4316 ULB-26S-16重強度部材用
神戸:Z 3211 E4948
日鉄:Z 3211 E4340 U
LB-26VS-16V立向下進溶接用(通称:くだり棒)
Z 3211 E4916 ULB-52L-55490MPa級高張力鋼用
Z 3211 E4948LB-52TTW-50仮付け用(タック溶接ともいう)
Z 3211 E4316LB-52US-16W裏波溶接用
代表的な低水素系溶接棒の銘柄

LB-26VやS-16Vの「V」はVertical Down(立向下進)を表しているよ。

上記のように溶接棒の製品名についているアルファベットはなにかしらの性能を意味していることが多いです。

高酸化チタン系溶接棒の特徴と比較

高酸化チタン系溶接棒は被覆剤(フラックス)にルチールがメインで使用されている溶接棒で、ビード外観の美しさと溶け込みの浅さで薄板に適しています。

溶接性を落として、作業性に特化させている棒種というイメージでいいでしょう。

先程紹介した低水素系溶接棒とは正反対の性能です。

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JIS神戸製鋼所日鉄溶接工業特徴
Z 3211 E4313B-33S-13Z溶込みが浅いため薄板に最適。
Z 3211 E4313RB-26FT-51立向下進溶接も可能な薄板向け棒
代表的な高酸化チタン系溶接棒の銘柄

神戸のB-33は「B」がついているからイルミナイト系溶接棒だと思いきや高酸化チタン系に分類されるんだ。

日本国内ではライムチタニア系が人気ですが、東南アジアでは高酸化チタン系が主流のようです。

まとめ

神戸製と日鉄製のイルミナイト系溶接棒、ライムチタニア系溶接棒、低水素系溶接棒、高酸化チタン系溶接棒をそれぞれ比較しながら見ていきました。

溶接棒の種類はメーカーの違いまで考慮するととてつもない数になります。

それら全てを覚えようとしても難しいので、販売量の多い人気銘柄に絞って比較しながら覚えることが溶接棒を理解する近道になります。

本記事のおさらい

イルミナイト系溶接棒

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JIS神戸製鋼所日鉄溶接工業特徴
Z 3211 E4319 UB-17A-17(旧:G-200)〇-14系と比較して溶接性重視
Z 3211 E4319 U B-14A-14(旧:A-200)溶接性と作業性のバランスが良好
Z 3211 E4319B-10A-10(旧:G-300)〇-14系と比較して作業性重視
代表的なイルミナイト系溶接棒の銘柄

ライムチタニア系溶接棒

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JIS神戸製鋼所日鉄溶接工業特徴
神戸:Z 3211 E4303
日鉄:Z 3211 E4303 U
Z-44NS-03Hi国内で最も使用されている人気種
Z 3211 E4303TB-24S-03立向上進溶接(かち上げ)がやりやすい
代表的なライムチタニア系溶接棒の銘柄

低水素系溶接棒

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JIS神戸製鋼所日鉄溶接工業特徴
Z 3211 E4316 ULB-26S-16重強度部材用
神戸:Z 3211 E4948
日鉄:Z 3211 E4340 U
LB-26VS-16V立向下進溶接用(通称:くだり棒)
Z 3211 E4916 ULB-52L-55490MPa級高張力鋼用
Z 3211 E4948LB-52TTW-50仮付け用(タック溶接ともいう)
Z 3211 E4316LB-52US-16W裏波溶接用
代表的な低水素系溶接棒の銘柄

高酸化チタン系溶接棒

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JIS神戸製鋼所日鉄溶接工業特徴
Z 3211 E4313B-33S-13Z溶込みが浅いため薄板に最適。
Z 3211 E4313RB-26FT-51立向下進溶接も可能な薄板向け棒
代表的な高酸化チタン系溶接棒の銘柄

地域によっては流行りの溶接棒みたいなのがあって、今回紹介した溶接棒以外の銘柄を主に使っているというお客様もいるかもしれませんが、本記事で挙げた溶接棒が国内で使用される代表的な銘柄であるのは間違いないでしょう。

どうしても期限までに用意できない溶接棒が出てきたときに相当品で対応するシーンは少なくありませんので、本記事で紹介した溶接棒は覚えておいて損はありません。

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