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半自動溶接機の延長ケーブルを分割&再構築!ガス溶材商の作業術を紹介

本記事を読んでわかること
  • 半自動溶接機の延長ケーブルの作り方
    • ガスホースにアポロコックを取り付ける方法
    • パワーケーブルにケーブルジョイントを取り付ける方法
    • 制御ケーブルにメタコンを取り付ける方法

先日お客様から、所有している半自動溶接機の延長ケーブル20mを切断して、5mを2本と10mを1本に作り直してほしいという依頼がありました。

今まで延長ケーブルを切って別の長さにしてほしいという相談をされたことがなかったため、できるかどうか不安なところもありましたが、これはブログ記事になると思い二つ返事でやってみることにしました。

なんというブロガー魂!

やってみての結論としては、過去にブログで紹介したケーブルジョイントの付け方やホースにアポロコックを入れる方法など、自分が解説した内容+メタルコネクター(以下:メタコン)のはんだ付けというまとめ記事にふさわしい作業のオンパレードでした。

この記事では、半自動溶接機の延長ケーブルの分割・再構築の具体的な方法を解説します。ガスホース、パワーケーブル、制御ケーブルの各工程について詳しく説明しますので、初めての方でも取り組める内容です。

目次

作業前に確認すべき事項

お客様からお預かりした延長ケーブルは、メタコンは両端についていたものの、アポロコックやケーブルジョイントは片側にしかついていないという状態でした。

この状態の延長ケーブルを分断し、再構築していきます。

依頼内容の確認

依頼内容は両端を全てワンタッチ接続できるようにした状態で5mを2本、10mを1本の延長ケーブルに作り直してほしいというものでした。

既についているケーブルジョイントやアポロコックは使えるのであればそのまま使い、切って数が増える分、足りなくなる部品だけ改めて準備する必要があります。

詳しく話を聞いてみると、小さいケーブルジョイントだと焼けることがあるらしく、大きいケーブルジョイントJB-500にしてほしいという希望がありました。

お客様がどのような完成品を望むのかしっかりとヒアリングして、必要な部品を手配しよう。

制御ケーブルに使用するメタコンの番号と配線色の確認

制御ケーブルの両端にはメタコンを取り付けるので、作業を始める前にメタコンの番号と配線色を必ず確認します。

メタコンには番号がふっており、それぞれの番号にどの色のケーブルがついているかを確認してみると以下の通りでした。

ダイヘンXD350用制御ケーブルの配線色

1:黒 2:白 3:赤 4:緑 5:黄 6:青

違う番号に違う色の線をつけてしまわないように写真を撮るなどして対策しよう。

製作工程: ガスホース・パワーケーブル・制御ケーブル

ガスホースにはアポロコック、パワーケーブルにはケーブルジョイント、制御ケーブルにはメタコンを取り付けていきます。両端やる必要があるためなかなか大変な作業になります。

特にメタコンのはんだ付け作業はそれ用の道具が必要なことも考えるとなかなか厄介です。

①ガスホースの両端にアポロコックをつける

ホースにアポロコックを取り付ける手順
  • ホースにホースバンドを先に通しておく。
  • アポロコックのタケノコ部に洗剤や石鹸水を使ってすべりを良くしておく。
  • 一気に挿しこむ。

ちなみに半自動溶接機でよく使用されるガスホースは内径6.3mmのものが多いため、その場合は使用するアポロコックは酸素用のφ8のものを使ってください。細径アポロコックだと漏れの原因になります。

過去にエアーホースにエアカプラを接続する方法を解説していましたので詳しくはこちらも参考にしてみてください。アポロコックの場合でも応用できます。

ホースバンドは先に通しておく!

②パワーケーブルの両端にケーブルジョイントをつける

パワーケーブルにケーブルジョイントを取り付ける手順
  • ケーブルにジョイントのゴムカバーを先に通しておく。
  • 銅管分だけ被覆を向き、銅管を付属のイモネジで締め込む。
  • ゴムカバーを引っ張って金具に装着する。

22sqや38sqのキャブタイヤケーブルだとJA-300、それより大きいサイズだとJB-500のケーブルジョイントを使用することが多いかと思います。

過去記事ではケーブルジョイントJA-300を例にして解説していましたが、大きいケーブルジョイントJB-500であってもやり方は同じです。

ゴムカバーは先に通しておく!

③メタコンにはんだ付けを行う

一番の肝、メタコンはんだ付け作業を行います。私自身はんだ付けは素人なので、外観などはあまり気にせずくっついていることを重視した解説になります。

まずはんだごてとはんだワイヤーを用意しよう!

持ってない人多いんじゃ…。

上画像のように電線がとりつく部分にあらかじめはんだをつけておく(予備はんだ)ことで作業がしやすくなります。

電線部分だけでなくこて先や被覆を剥いた電線の先にも予備はんだをつけておくことで、メタコンと接続するときにはんだがうまくついてくれます。

いきなり電線とメタコンをつけようとするんじゃなくて事前にはんだをのせとくことが重要なんだね。

ひと手間かけるだけで作業効率が変わるよ。

予備はんだをしておくと、はんだワイヤーを挿入することなく接続する部分にはんだごてを当てるだけでくっついてくれます。

1人で電線を合わせつつ、こて先を当てながら、はんだワイヤーを入れていくという3つの作業を同時に行うのは困難なので、是非ともこの方法を試してみてください。

番号と各色の配線を間違えないようにはんだ付けを行いしょう。強めに引っ張ってみて外れないようであれば問題ありません。

最後に

今回メタコンはんだ付けを自分でやってみたことで自身のはんだ付けスキルが向上したように感じます。やはり1度やってみるということはどんなことにおいても重要です。

延長ケーブル作成を依頼されることは少ないかもしれませんが、制御ケーブルが切れたからメタコンを付け直してほしいというお願いをされることも考えらえれます。そのときこの経験が活きるはずです。

ガスホースにアポロコックをつける、パワーケーブルにケーブルジョイントをつける作業に関しては、ガス溶材商にとっては必須だと思うので、これらだけでもできるようにしておきましょう。

他の人がやりたがらないことをできるとそれが強みになるね。

修理に出すことなく自分自身で鮮やかに対応することができれば、お客様からの信頼を得られますが、本依頼の最終目的はお客様が希望している仕様の延長ケーブルを期限内に納品することです

自分でやらずとも、他の人に協力してもらうなどして対応することが決して悪いわけではありません。

ゴールに向かう手段はいろいろあります。自分の力量にあった方法を選択をすることでお客様の要望に応えてあげてください。

目的から逆算して方法を考えていこう!

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