農業に炭酸ガスを使用する手法に関するレポート

本記事でわかること

  • 光合成の重要性
  • 農業における炭酸ガスの施用方法

当社の主力商品でもある炭酸ガスは、工業分野において溶接に使用されることが最も多いガスです。

しかし、炭酸ガスは工業分野のみならず、農業の分野でも使用されていることをご存知でしょうか?

どうやらハウス栽培において、炭酸ガスを効果的に施用することで、作物の収穫量が増加することがわかっています。

本記事では、農業において炭酸ガスがいかなる効果を発揮するのかを紹介しています。

実際に炭酸ガス施用を行っている農家さんを訪問しました!

光合成について

炭酸ガスの使用用途を見ていく前に、まずは光合成について説明します。

植物は光合成によってエネルギー(糖)を作り出し、成長していきます。

光合成とは

植物が太陽光を吸収してその光エネルギーを使い、大気中の二酸化炭素と根から吸収したで、酸素と糖類を作り出す作用

エア・ウォーター株式会社 資料より引用

光合成を促し、エネルギー(糖)の量を増やすことが収穫量増加につながるというわけです。

光合成に必要な3要素

光合成に必要な要素は以下の3つになります。

光合成に必要な3要素

  • 二酸化炭素

「光」、「水」、「二酸化炭素」の内どれか1つでも不足すれば、植物は満足に光合成を行うことができません。

満足に光合成が行わなければ、本来収穫できていたであろう理想の収穫量を満たせなくなります。

光合成の3要素に加えて、ハウス内の「温度」や「湿度」もコントロールすることで、作物が育つための環境を整えてあげることが重要!

近代農業において、温度や湿度、CO2濃度などの環境を制御した施設園芸を行うことが求められています。

二酸化炭素は不足する時間帯がある

ビニールハウス栽培において、植物の光合成が盛んに行われるとハウス内の二酸化炭素が消費されるため、CO2濃度が下がってしまいます。

特に日射が増加する昼間は光合成のピークタイムであり、その時間帯は外気よりもCO2濃度が低い状況になります

光合成ピークタイム時の二酸化炭素量の数値(単位ppm)

ハウス外:400ppm程度

ハウス内:250ppm程度

前述のとおり光合成には「光」・「水」・「二酸化炭素」が必要で、不足している要素は補ってあげる必要があるわけです。

そのため、ハウス内のCO2濃度が下がったときにだけ二酸化炭素を供給する必要があります。

CO2濃度が減った時だけ二酸化炭素を供給するにはどうすればいいのだろう…

炭酸ガス施用法を採用している熊本県の農家様を訪問

ハウス栽培で炭酸ガス施用法を採用している農家様に話を聞きたいと思い、実際に行ってきました。

訪問した先は熊本県宇城市で、イチゴやトマトの生産を行っている農家様に話を伺うことができました。

当社の周りではなかなか見られない、見渡す限りのビニールハウスは圧巻でした!

どのようにして二酸化炭素を供給しているのか

炭酸ガスの集合装置

私が訪問した熊本の農家様は、上画像のように炭酸ガス容器を配管に取り付けた「集合装置」と呼ばれる供給方法を採用していました。

どうやら集合装置の配管出口に取り付けている電磁弁の開閉で、炭酸ガスの供給をコントロールしているようです。

常に炭酸ガスが供給されているのではなく、設定したCO2濃度(単位:ppm)の範囲を下回ったときのみ、電磁弁が開き、炭酸ガスが供給される仕組みです。

ハウス内中央に吊るされた二酸化炭素濃度を計測する装置

上画像のような装置をハウス内に吊り下げることで、ハウス内のCO2濃度を測定することができるそうです。

ハウス内のCO2濃度を監視し、濃度が設定した値より低くなったときに炭酸ガスを供給するように命令を送ります。

その命令を集合装置側が受け取ることで、電磁弁が開くというわけです。

上の2枚の画像は、炭酸ガスの停止と供給を機械が知らせている様子を撮影したものです。

CO2濃度(ppm)の設定を370ppm~380ppmにしており、ハウス内のCO2濃度が設定範囲を下回った場合は炭酸ガスが供給されます。

逆に上回った場合は、過剰に炭酸ガスを送り込まないようにするため供給が停止するようになっています。

CO2濃度は高ければ高いほどいいのではなく、育てる作物や環境によって理想的な濃度があるようだね。

このような炭酸ガス施用法を取り入れて以降、明らかに生産量が増えたということを農家様は仰っていました。

まとめ:農業は日々進化している

CO2濃度だけでなく、気温や湿度、照度まで一元管理している

集合装置を用いた炭酸ガス供給にも驚かされましたが、多くの農家様がパソコンで気温や湿度、CO2濃度などのデータを管理していたことに感銘をうけました。

少しでも昨年以上の成果を上げるために、設備投資と研究に妥協がないということなのだと思います。

ハウス内の環境制御がいかに大事なのかが伝わってきますね。

本当にあちこちで炭酸ガスの集合装置を見かけたので、なぜここまでこの地域で流行っているのかも聞いてみました。

するときっかけは最初に1軒の農家様がこの手法を取り入れたところ、その効果と評判を聞きつけ他の農家様も連鎖的に採用していったとのことです。

その土地土地で流行りはあれど、光合成促進のための炭酸ガス施用は収穫量にプラスに働くことは間違いありません。

当社の販売エリアでもある下関市ではまだ採用されている農家様は少ない印象です。

当社は下関市で高圧ガスを製造・販売するガス会社として、農業分野で高圧ガスを使ってみたいというお客様にも販路を拡げたいと考えています。

もし本記事で紹介した炭酸ガス施用法を検討している方がおりましたら、是非一緒にやりましょう。

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