- 車輛に高圧ガスを積載するときに必要なもの
高圧ガスをトラックに載せて持っていこうと思うんだけど何か必要なものはあるの?
もちろん!高圧ガスを積載するときに必要なものについてはきちんと法律で決まっているから確認していこう。
高圧ガスを車輌に積んで移動する際には、積載するガス種によっては車輌に携帯しておかなければならないものが存在します。
これは高圧ガス保安法や一般高圧ガス保安規則によって定められていますので、本記事ではそれを紹介していきます。
本記事を読むことで充填容器を車に積んで移動するときに準備すべきものがわかるようになります。
警戒標
一 車両の見やすい箇所に警戒標を掲げること。
出典元: 経済産業省 一般高圧ガス保安規則第四十九条一号より
ここでいう警戒標とは「高圧ガス」と表記されている標識のことをいいます。
ちなみにこの警戒標にも以下の基準が設けられています。
4.高圧ガスを移動する車両の警戒標は、次の各号の基準によるものとする。
4.1 警戒標は、車両の前方及び後方から明瞭に見える場所に掲げること。
この場合、警戒標は、車両の前部及び後部の見やすい場所に掲げること。ただし、小型の車両に
あっては、両面標示のものを運転台の屋根の付近の見やすい場所に掲げることができる。
4.2 警戒標は、次に掲げるいずれかの大きさとすること。
(1) 形状を長方形とする場合は、横寸法を車幅の 30%以上、縦寸法を横寸法の 20%以上。
(2) 正方形又は正方形に近い形状とする場合は、面積を 600cm2以上。
4.3 警戒標は、黒地に黄赤又は黄の明瞭に見える文字で「高圧ガス」と記載したものであるこ
と。
出典元: 経済産業省 一般高圧ガス保安規則の機能性基準の運用についてより
保安規則によれば警戒標を掲げる位置は車両の前方及び後方の見やすい場所とされています。
前方、後方の両方に警戒標はかかげておく必要があるよ。
また、車幅によっては寸法も変わってくるということを覚えておいてください。
消火器・防災工具
十四 可燃性ガス、特定不活性ガス、酸素又は三フッ化窒素を移動するときは、消火設備並びに災害発生防止のための応急措置に必要な資材及び工具等を携行すること。
出典元: 経済産業省 一般高圧ガス保安規則第四十九条十四号より
上記の規則に記載されている消火設備とは車載用の消火器を指しており、資材及び工具等とは防災工具のことを指しています。
消火器
携帯すべき消火器の種類や数量は積載しているガスの量によって変わってきます。
高圧ガスの充填容器を車輌に積んで移動する場合に必要な消火設備の内訳は以下の通りです。
移動するガス量による区分 | 消化器の種類 | 備付け個数 |
圧縮ガス100㎥ または液化ガス 1.000kgを超える場合 | 粉末消化剤 B-10以上 | 2個以上 |
圧縮ガス15㎥を超え100㎥以下 または液化ガス150kgを超え1.000kg以下の場合 | 粉末消化剤 B-10以上 | 1個以上 |
圧縮ガス15㎥ または液化ガス150kg以下の場合 | 粉末消化剤 B-3以上 | 1個以上 |
防災工具
携帯すべき防災工具は以下のセットです。
- 赤旗
- 赤色合図灯または懐中電灯
- メガホン
- ロープ(長さ15m以上が2本)
- 漏えい検知剤
- 車輪止め(2個以上)
- 容器開閉用ハンドル
- 容器バルブグランドスパナまたはモンキースパナ
- 革手袋
これら全ての資材がまとめて入っている緊急防災工具セットという商品もありますので、そちらを購入することで揃えるというのが一般的かと思います。
イエローカード
二十一 可燃性ガス、毒性ガス、特定不活性ガス又は酸素の高圧ガスを移動するときは、当該高圧ガスの名称、性状及び移動中の災害防止のために必要な注意事項を記載した書面を運転者に交付し、移動中携帯させ、これを遵守させること。
出典元: 経済産業省 一般高圧ガス保安規則第四十九条二十一号より
高圧ガス移動中の災害防止のための注意事項を記載した書面のことを「イエローカード」といいます。
イエローカードの様式は(社)日本化学工業協会が推進している様式がありますのでこちらから参考にしてください。
特に積載する機会の多い「酸素」、「アセチレン」、「プロパン」等のイエローカードは常に車に携帯しておくことを推奨します。
まとめ
- 警戒標
- 消火器
- 防災工具
- イエローカード
警戒標や消火器のような外から見てわかるもの以外にも、防災工具やイエローカードが必要だということをわかっていただけたかと思います。
本記事で紹介した高圧ガスの標識(マグネットやステッカーのもの)や消火器、緊急防災工具は当社でも取り扱いがございます。
もし何かご必要なものがありましたら当社で準備できるものはご対応させていただきます。
万が一の事故に備えておくことは、より安全にガスをお使いになるために必要な事ですので、今一度高圧ガスを移動する際の備えができているかを本記事を通して確認してみてください。