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CO2溶接トーチのライナー(コンジットチューブ)の交換方法を解説

本記事を読んでわかること
  • CO2溶接トーチのライナー(コンジットチューブ)交換方法

CO2溶接トーチのライナー交換でお困りではないでしょうか?ライナーとは何ぞやという方は以下の記事もあわせてご覧ください。

溶接しているときにワイヤが送られてこない詰まっている感覚があるといった症状が出るのであれば、真っ先にライナーの詰まりが疑われるため交換してみる必要があります。

症状が出たことがなければそのまま使用できてしまうため、一度も交換したことがないという方も珍しくはありません。

しかし長年交換せずに使っていれば、必ずライナーの中はゴミやメッキ屑などで詰まっているでしょう。

上が古いライナー、下が新しいライナー

ライナーの交換をお願いされたけどやったことないよ!

本記事では急遽ライナーを交換することになった使用者や販売店の営業マン向けにライナー交換の方法を解説しております。

目次

まず始めに:送給装置からトーチを外す

まずは送給装置からトーチを外す必要があります。パナソニック溶接機の場合はモンキーレンチや六角棒レンチなどの工具を使ってトーチと送給装置の接続部分を外していきます。

溶接ワイヤーがトーチの中を通っている場合はトーチを外すことができないため、トーチ内にワイヤーがない状態にします。

溶接ワイヤーの先端が玉になっている状態だとワイヤーを巻いて戻すことができないため、玉の部分を切るなりしてワイヤーを回収します。

巻き上げても全然ワイヤーが戻ってこないと思ったらそういうことだったのか…。

チップより太い玉ができていたら当然抜けなくなるからね。

ライナー交換手順

トーチを送給装置から外したら、いよいよライナー交換のスタートです。

トーチを真っすぐに伸ばす

最初にやることはトーチを真っすぐに伸ばすことです。

曲がっている状態でライナーを引き抜こうとしたり挿入しようとすると、思うようにライナーを交換することができないため、まずは交換しやすいようにしましょう。

古いライナーを引き抜く

トーチに元から入っていた古いライナーをペンチなどの工具を使って引き抜きます。

トーチを真っすぐに置いておけば簡単に抜くことができるため、うまく引き抜けない場合はトーチが曲がっていないか確認しましょう。

新しいライナーの長さを調整する

ライナー交換の最も面倒くさい工程です。

新しいライナーは通常使う状態よりも長めになっており、切らずにそのまま挿入すると金具側の部分がとび出してしまいます。

このような状態では使用できないため、以下の2通りの方法でライナー長さを調整します。

方法①:新しいライナーを挿入し、とび出た長さを測って切断する。
方法②:抜いたライナーと新しいライナーを重ねて同じ長さに切断する。

なんで長めに作ってあるのさ!?

おそらく使用しているトーチボディに応じて長さを調整するためだと思うけど切らずにそのまま使えるものがあるといいね…。

新しいライナーは必ず長めになっているため切断する必要があります。

方法①:新しいライナーを挿入し、とび出た長さを測って切断する。

製品の箱に記載されているメーカーが推奨する交換方法です。

新しいライナーを挿入し、どれくらい金具側がとび出ているのかを測ります。金具端からトーチ取り付け部先端までの長さ+5mmくらいが目安です。

そのあと一度抜いて、先端側をその長さ分だけ切断した後再度挿入します(ペンなどで印をつけるとやりやすいです)。

よくあるミスとして測った後そのまま金具側を切断してしまうことがあります。ライナー先端を切るということを忘れないようにしましょう。

ライナーを入れる→測る→抜く→切る→入れるという複数の工程があるため、正直面倒くさい方法です。

方法②:抜いたライナーと新しいライナーを重ねて同じ長さに切断する。

前回使用していたライナーと同じ長さで使いたいというのであればこの方法で構いません。

引き抜いた古いライナーと新しいライナーを重ねて同じ長さで切断するだけです。

多少長さに誤差があったとしても、最後にトーチを時計回りにしてライナーを縮めていく工程で長さを調整できるため問題ありません。

トーチを時計回りに回してライナーを縮めていく

新しいライナーの長さを調整してトーチに挿入した後は、トーチを時計回りにすることでライナーを中に入れていきます。

ライナーはスプリング状になっているため、画像のようにトーチを時計回りにすることでライナーが締められていくという理屈です。

ライナー長さがちょうどよければOリングが見えなくなるくらいまで入れることができますので、目安としてはそのくらいまで入れていきましょう。

ダイヘン製のトーチの場合はOリングがなく、別部品のライナナットが締められるまでライナーが入っていればいいです。

まとめ:長さを調整して新しいライナーを入れましょう

ここまでの手順通りにライナーを入れ込めたら、送給装置側にねじ込んで工具で取り付けるだけです。

本記事のおさらい
  • 新しいライナーは長めにしてあるため、使用する長さに切断して使う。
  • ライナーを外す前に送給装置からトーチを外す。
  • ライナー交換手順
    • トーチを真っすぐに伸ばす。
    • 新しいライナーを先に挿入して切断長さを測るか、古いライナーと比べて同じ長さにするかで調整する。
    • トーチを時計回りに回してライナーを中に入れていく。
    • 十分にライナーを入れ込んだら送給装置に接続する。

新品の部品を切断する必要があるため、経験がないと交換するのにためらいが生じてしまいます。そのためお客様から代わりに交換してほしいといわれることもあります。

私もかつてはライナー交換が苦手でしたが数をこなしたことで慣れてきました。何度も経験することで覚えていきましょう。

個人的にはライナーを現場で交換することは溶材営業マンの最初の関門くらいに思えます。

お客様からお願いされて鮮やかに交換できたら信頼アップにつながるかも!?

現状ワイヤーが詰まっている感じがする、ライナーを交換したことがないという方は本記事を読んで参考にしていただければ幸いです。

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