- CO2トーチからガスが漏れる際に確認するべきポイント
先日お客様からCO2トーチからガスが漏れているような感じがするという連絡がありました。
普段から溶接作業をしている方であれば、ガスの勢いが弱かったり、溶接結果が悪かったりなどでガスが漏れているかもしれないという状況に気づくことでしょう。
ガスの出方が弱いとシールド効果が発揮されずにブローホールなどの溶接欠陥が出る原因になってしまうよ。
本記事ではCO2トーチからガスが漏れているかもしれないときに確認するべきポイントについて解説しています。
もし、現在使用しているCO2トーチのガスの出方で違和感があったり、どこか漏れているかもしれないという相談を受けていたりする方がいましたら、是非本記事を参考にしてみてください。
CO2トーチからガスが漏れる原因
CO2トーチからガスが漏れる原因として主に考えられるのは以下の通りです。
- Oリング(パッキン)がない、Oリングが劣化している
- ライナーやケーブルに傷がある
- しっかりとCO2トーチを組付けられていない
CO2トーチのガス漏れを感じた際には、修理に出したり新品に交換したりする前に上記3点を確認してみることをオススメします。
自分で調べられるところは調べてみよう…!
ガスが漏れる箇所によって見るべきポイントが変わりますので、次項から解説していきます。
送給装置取り付け部周辺からガスが漏れる場合
送給装置とCO2トーチを接続している部分でガスが漏れることがあります。
しっかりと組付けられていることを前提として、確認したい部分はOリングの状態とライナーの状態です。
トーチ接続部分のOリング(パッキン)の確認
送給装置と接続する部分にはOリングがついています。このOリングがついてなかったり、劣化して傷が入っていたりするとガスが漏れる原因になります。
ダイヘンのトーチには給電アダプタと呼ばれる部分にOリングがついており、パナソニックのトーチにはライナーの金具部分にOリングがついています。
一見Oリングがついているようでも、劣化している場合漏れることがあるからよくチェックしてみよう。
ライナー(コンジットチューブ)被覆の確認
Oリングに問題がない場合、ライナーの被覆が破れている可能性があります。
被覆に傷が入っているとそこからガスが漏れる原因になるため、その場合はライナーを交換する必要があります。
ちょっと破けているだけでもガスが漏れるからよく見てみよう。
トーチボディ周辺からガスが漏れる場合
送給装置とCO2トーチの接続部ではなくトーチボディ周辺からガスが漏れることがあります。
トーチボディのOリングを確認
トーチボディとハンドルを組み付ける部分にはOリングがついています。
このOリングがない、もしくは劣化している場合ガスが漏れてしまうため、まずはトーチボディを外してみてOリングの状態を確認しましょう。
Oリング…大事なんだなあ。
トーチボディがしっかりとハンドルに接続できていない
Oリングの状態を確認するために一度トーチボディを外し、Oリングを変えたにも関わらずまだ漏れてしまう場合はトーチボディがしっかりとハンドルに接続できていない可能性があります。
インナーライナーのないダイヘン製トーチの場合、トーチボディを外した際にライナーが飛び出てくるため、ライナーを少し引っ込めてあげないとトーチボディが接続しにくい場合があります。
ライナーが最大まで出ている状態でのトーチボディ接続はしっかりとはまりにくいと感じる部分があるので、今回はこちらも注意するべきポイントとして記載しました。
トーチボディだけでなくCO2トーチと送給装置の接続部分もしっかりと組み付いているか確認しておこう。
まとめ
- CO2トーチの送給装置取り付け部周辺からガスが漏れる場合
- トーチ接続部分のOリングの状態確認
- ライナーの被覆の状態確認
- トーチボディ周辺からガスが漏れる場合
- トーチボディのOリングの状態確認
- 送給装置側、トーチボディがそれぞれしっかりと接続できているか確認
本記事ではCO2トーチからガスが漏れる理由として最も考えられる原因と見るべきポイントを解説しました。
その他にもガスが弱いと感じて、トーチボディやライナーを確認しても異常がない場合、トーチケーブルに穴が開いている可能性もあります。
過酷な現場だと引っ張りすぎたり物を当てたりしてケーブル自体に傷がつくこともあるね。
トーチケーブルに穴が開いている場合はトーチ本体そのものを交換する必要あるでしょう。トーチ本体は高額になりますから、そうならないためにも普段から無理な使い方をしないことが求められます。
トーチを正しく使用してできるだけ長持ちさせましょう。
本記事の内容が今現在CO2トーチからのガス漏れで困っている方への参考になれば幸いです。
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